高級評茶員への道 第十一回

今日は茶葉の保存と包装についての講義でした。
湯先生がまず、特に緑茶は変質しやすく、保存方法が悪いと3ヶ月持たないけれど、1年間持たせたいよね、というお話しをされました。
先日去年の龍井を発掘して「しまったぁぁあ…こ、今年の龍井と飲み比べをしてみようかな(遠い目)」「んー。菊花龍井にしようかな(涙目)」という経験をした私には、実にタイムリーかつ興味深いテーマです。
温度・湿度・酸素や茶葉の含水率など、環境条件が適正でなかったばかりに茶葉の成分が酸化したりカビが生えたりして、茶葉の鮮度が著しく落ちると、特に名優緑茶では新鮮な風味を失い飲むに値しなくなってしまうそうです。
ティーポリフェノールが酸化すると茶葉が黄色く枯れたようになり、茶の湯が褐色がかるとか、葉緑素は光にあたると分解と置き換えが進んでマグネシウムが失われる、というお話をされ、また、どのように保存してもお茶の新鮮な香りを保つ方法がまだないこと、また、アミノ酸が減ったり増えたりする理由がまだ解明されていないことなども学びました。
茶葉の包装については、茶葉を新鮮に保つだけでなく、産品の紹介や重量・生産期などのデータを掲載する必要があり、絶対に必要なデータと、あったほうが消費者にとって親切なデータがあるという話をされました。大きなお店ではきちんとそういった標準を満たしているけれど、農家直売や市場ではその基準を守っているかアヤシイ、というお話もされました。また、包装の種類のお話では紙の包装だと通気性が良いので湿気に弱く、木箱も見た目は良いけれど同様の問題がある、一番よいのはアルミパックの包装と金属の包装で、一番密閉性が高くて良いというお話をされました。プラスティックの包装は、プラスティックの香りがついてしまうし光を通してしまうのに加えて柔らかいので茶葉の形を崩してしまうので向かないとのことでした。
最後に名優緑茶の保存技術のお話しをされ、酸素を抜く方法として真空包装と脱酸素剤があるのだけれど、真空包装は茶葉の形を崩してしまうので、脱酸素剤が良い、湿気を取るためのシリカゲルも併せて入っていることが多い、というお話をなさっていました。ポテトチップスの酸化防止でよくある窒素充填方式もあるそうですが、嵩張るのであまり一般的ではないそうです。冷蔵庫での保管は、冷蔵庫から出すと一気に品質が劣化するため、ゆっくりと室温に戻す必要があるそうです。我が家にある最高級緑茶・碧螺春サマ(※サマ付けです。)は、冷凍庫の香りがつかないよう、密封+新聞紙で包みさらにジプロック、飲む時は前日から冷蔵庫に入れてから室温に戻していたのですが、碧螺春というのは茶葉を作る工程の問題で含水率が高めなこともあり、とても保存が難しいなぁと思い出しました。
午後は新茶と陳茶の飲み比べ。陳茶といっても、ちゃんと冷蔵庫に保管してあったものを一ヵ月半前から常温保存していたものとのことでした。
6種類の茶葉を新しいものと古いもの2つずつ、飲み比べたのですが、新茶の色の美しさと香りの高さ、陳茶の茶の湯は褐色がかるだけでなく濁るのだ、ということに気づきました。
先日、家で去年の龍井と今年の龍井を飲み比べた時にはわからなかったことが、今ならもう少し気づけるかもしれない、テストが終わったらじっくりともう一度飲み比べをするのも楽しいかもしれないと思いました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>