先週に引き続き、湯先生の担当でした。午前中は眉茶の加工方法とお茶のブレンドについて習いました。
湯先生が講義中。
眉茶は、原材料が荒めなので、精制する必要があるのだそうです。
特に輸出をする場合、サイズをそろえたり、同じ形にして品質を均一にしないといけないのだそうです。
「精制」はヒト手間を加える、良いことのように思えたので、どうして名優茶でやらないのだろうと一瞬考えたのですが、龍井や碧螺春はそのままでも十分に綺麗であり、また、精制の時間を取ることで新鮮であることがとりえの新茶の経済価値が下がったり芽の柔らかいお茶は砕けやすいと聞き、なるほどと思いました。
ちなみに日本茶は農協を経由する段階で全て精制するのだそうです。
精制の目的は大きくわけて3つ。外形を美しくすること・等級わけをすること・ごみや茎、、髪の毛など茶葉以外のものを取り除くことの3つだそうです。
人間のお化粧と同じで、見た目を美しくするけれど、味の変化はそう大きくはないそうですが、程度によっては湯色が悪くなるそうです。
また、後でブレンドすることを絵を描くことに例え、いろいろな絵の具を混ぜることで絵が描けるけれど、ゴチャゴチャの色が混ざった絵の具1種類で絵を描けないのと一緒だといわれ、確かにそうだなと思いました。
等級わけの方法を詳しく教えていただいた後、ブレンドについて勉強しました。面白いと思ったのは、1+1=2ではダメだということです。
悪い材料から良い味を作ることがブレンダーの腕の見せ所だそうで、良い材料を使って美味しくするのは誰にでも出来ますが、冴えない材料で美味しく出来たら大儲け出来る、そうです。
1+1が2よりも大きかったら、良いブレンダー。
1+1が2よりも小さかったら、ダメなブレンダー。
なるほどー。湯先生の授業はたとえ話もわかりやすかったなぁと思っていたら、最後に大江先生が「今日の内容はテストに出ません(キッパリ)」とおっしゃり、微妙な気持ちになりながらお昼休憩に突入。
午後は名優緑茶を専門用語で審評です。某グルメ漫画(美味○んぼ)のガンコ親父ばりに評茶の専門用語を使いこなそう、と「むむむ!これは…若い香りがする…だが残念なことに、ちょっと焦げ臭い…」「おぉ!この香りはどうだ…茶葉の特性が出 ているじゃないか…」とか「この爽やかでサッパリとした味…」「ツヤのある湯色…」「均一が高く若い葉だ…茶殻も美しい…」とか、8種類の緑茶でやってみました。
高級って本当に大変だなぁ、と自信を喪失してその日は帰途についたのですが、土曜日に、Yさんから電話がかかってきました。
お茶市場で8種類の緑茶を買って来たのでもし良ければ今から心也清で復習をしようというお誘いでした。
小周に「テストに出ないよー」と言われつつ、Yさんが買って来た茶葉と見比べました。
市場で購入できる茶葉には限界があり、先生が持ってきた極上のサンプルと比べると劣っていたり、その茶葉自体が売っていなかったりと大変だったとのことですが、評茶は、そのお茶の特徴を知っているという大前提の下で、その茶葉が標準的な茶葉と比べてどうかということを書かなくてはいけません。
その茶葉の特徴を水曜日の段階よりはかなりはっきりとつかめたという手応えがあり、Yさんには大感謝です。例えテストに出なくても、引き出しは多いに越したことはありません。
己に勝る良き友が多くいる、この環境で勉強することが出来るのは本当に有難いことだなぁとしみじみ思います。藍より青くなれることはなさそうですが、朱に交わって、ちょっとは赤くなれているでしょうか。高級はハイレベルだと実感する日々ですが、自分自身もレベルアップできるよう、頑張ります。
講義中のお茶飲み比べ風景。
寄稿byとおこ