武夷山九曲渓流下り
6人乗りの竹の筏で渓流を下りました。
こんな竹の筏で渓流を下りました。
漕ぎ手の人にチップ(1人5元ずつ30元)を渡せば説明をしてくれます。「あの岩はおっぱい峰」「あれはハンバーグ」…適当なこと言ってない?という疑惑はちょっとありましたが、面白い人でした。
渓流下り途中で見たハンバーグ峰。
ちなみに後で調べたら、漕ぎ手の方の言ったとおり本当に「双胸峰」というのがありました。あの時は疑ってごめんなさい。
曲がり角の岩には「九曲」「八曲」「七曲」という文字と詩が刻まれています。
渓流八番目の曲がり角--「八曲」。
渓流一番目の曲がり角--「一曲」。
船の速度は普通の所はゆっくりめなのですが、曲がり角はスピードが上がるのでシャッターチャンスは一瞬で過ぎ去って行きます。ついでに「七曲で太陽にほえろのテーマを口ずさむ」というひそかな野望も過ぎ去ってしまいました。
途中、うちの船の漕ぎ手の方が何かにとりつかれたかのようにスピードを上げ、どんどん他の船を追い越していきました。ベテランらしく、とても運転が上手です。あぁ、途中で追い抜かした黒い服を着たイケメンの船に乗りたかった…いや、大江先生が乗っている、はにかんだ笑顔が素敵なお兄さんの船でも良かった…とか言いたい放題を言っていたら漕ぎ手の人に「北国の春」をリクエストされました。6人で仲良く白樺ー♪青空・みぃなーぁみぃかぁぜー♪と大合唱。そんなこんなであっという間に1時間半が過ぎ、「一曲」を過ぎて見送りの松が見えたらすぐに降り口です。
途中で、カメラマンらしき人がいて、降りた後、パウチされた写真を買わないかと誘われました。10元だったし、写真うつりもなかなか良かったので購入しました。
王順明さんの家について
いただいた名刺に並んでいる肩書きが12個もありました。
他の所は2班に別れたのですが、ここは一度に全員が揃って試飲したり質問したりすることが出来ました。娘さんとその旦那様にお茶を淹れていただきながら、お孫さんや奥様を紹介してくださった後は試飲しながらの質問タイム。
王順明さんの家での試飲・質問タイム。
僕は星一徹系ガンコ親父です、と顔に書いてあるような方(しかも偉い有名人)に「何でも質問していいですよ」と言われても誰も質問しません。というか出来ません。よーし、だったらトップバッターで聞いちゃうよっ(※怖いもの知らず)。
Q「王さんなら飲んだことがあると思うんですが、母樹から採れた茶葉で作ったお茶はどんな味ですか?」
A「僕は23年間に渡り、あの茶木を守ってきました。また、あの茶葉でお茶を作ってきましたから当然飲んだことがあります。茶葉の量が少ないので、作るのがとても大変でしたが、普通の美味しい大紅袍と同じ味です。」
Q「私は、茶木の経済寿命は60年と習いました。また、母樹の樹齢は350年を超えていると聞いています。どうして普通の茶木の5倍以上の年月が経った今でも美味しいお茶が取れるのか、その秘密を教えてください」
A「それがあの母樹のすごいところで、伝説となっている由縁でもあります。普通の茶木の寿命は100年から150年、なのに武夷山の豊かな土壌、地理的なものなどが理想的であることなど、様々なことが原因となって今もなお、美味しいお茶が出来るのです。でも実は、去年からお茶作りを中止して、茶木を休ませています」。
私みたいな若輩者の取るに足らないような質問にも、じっと目を見て答えてくださいます。感動。
王順明さんの家での試飲・質問タイム。
他の方の質問に対する答えの「僕の作ったお茶は含水率が7%以下だから、8年以上持ちます」「一番美味しいのは、5~6年目くらいでしょうか」という答えを聞いて、美味しかった銘柄と好きな銘柄は大人買いすることを決意しました。
5個買って26度以下の温度で湿気に気をつけて、毎年1袋ずつ飲めば最後の1袋は丁度5年目。
その後、家に併設されている工場を見せてくださいました。乾燥室の熱気と、岩茶の甘い香りにうっとりしました。出来ればあの部屋から出たくなかった…。
最後に王さんが「これ、一番美味しい8年物の大紅袍。あげる」と小さな綺麗な箱を手渡しで下さいました。
ひょっとしたら、大人買いした人には誰にでもあげるノベルティかもしれませんが、私は中国茶の中でも岩茶が特に好きで、読めない中国語の本を買ったりお茶市場に通ったりフリーペーパーをもらってきては先生に聞いたりするくらい、本当に岩茶が大好きです。
その岩茶に対する思いが、岩茶の神様に通じたような、岩茶と両思いになれたような、そんな気持ちになって、今思い出しても、嬉しくて涙目になれるくらい、本当に嬉しかったです。
王順明さん工場の茶焙煎室。
王順明さんが自ら岩茶製法を披露しています。
食事について
朝食はホテルのバイキングでした。お粥もラーメンもスープも野菜も全部美味しかったです。
「武夷山荘」レストランの一角。
レストランでのオーダーは大江先生のご担当で、野菜がお好きらしく、とてもヘルシーで良かったです。竹の子と茸の産地らしく、どこのレストランでも必ずと言ってよいほど出てきました。
武夷山の竹の子料理。
お茶の葉のフリッターや素揚げなど、お茶教室のツアーならではの珍しいお料理もありました。
紅茶の発祥地・桐木関で出された料理。
レポートはここまでです。
本当に行けて良かったです。お茶工場の偉い方も皆さんとても親切な方ばかりでしたし、運転手さんも、ガイド役の工場の方も良い方ばかりで、岩茶だけでなく、武夷山の自然、人、食事など全ての要素を好きになりました。
先生は生徒を大勢を引き連れて責任も重く、とても大変だったとは思いますが、貴重な体験をさせていただき、とても感謝しています。
ありがとうございました。
<終わり>
寄稿by東塚洋子
写真・協力byツアー参加者